Mama mikke column

夫婦のかたち

Vol.3 / 前田景さん・たかはしよしこさん

いざとなればジャンプしちゃう!「飛び込んじゃえ、ぴょ~ん」って。

カップルから、夫婦へ、そして父と母へ。一緒に時を過ごし、さまざまな出来事や思いを経験していくことで、ふたりの関係性は変わっていくものなのでしょうか?
「夫婦のかたち」第2回は、グラフィックデザイナーであり、写真家でもある前田景さんと、西小山にアトリエ兼ショップ「S/S/A/W」を構え、ケータリングやイベントなどで各地を飛び回る料理家たかはしよしこさんご夫婦にお話を伺いました。「子どもが生まれて、ふたりの関係性は大きく変わった」と語るおふたりの夫婦のかたちとは?
前田景

アートディレクター。1980年東京生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。Fallo Tokyo、M&C SAATCHI TOKYOを経て、2015年独立。広告の企画・制作を中心に、グラフィック、エディトリアル、ウェブ、映像と様々な表現でデザインを生み出している。近年はフォトグラファーとしても、作品を発表している。フードアトリエ「S/S/A/W」ではクリエイティブ・ディレクターを務め、印刷物やウェブ、調味料のパッケージなどトータルでデザインを担当している。

たかはしよしこ

料理家。フードデザイナー。フードアトリエ・S/S/A/W主催。生産者と食べる人の架け橋になるように心がけ、季節やテーマに添ったお料理を完全オーダーメイドで製作する。魔法の調味料「エジプト塩」「モロッコ胡椒」「アルル塩」「富山コンカリー」の製造と販売も行う。週末には『エジプト塩食堂』としても不定期で営業中。

----おふたりはどんなふうに出会ったんですか?

景さん(以下景):行きつけの居酒屋が主催していた花見で。僕はそのお店に長く通ってたんだけど、よっちゃんはまだお店に2、3回しか行ってない頃だったよな。

よしこさん(以下よしこ):うん、だからすごく緊張してた。お客さんの層も大人の方が多かったから、私たちが一番若くて。

景:2008年だからよっちゃんがもうすぐ30歳、僕が28歳のときか。そこで、名刺交換をして、よっちゃんの名刺のデザインの話で盛り上がった。

---その時点で「この人だ!」って感じだったんですか?

景:いや、そのときはそういう意識はしてなかったかな。当時、よっちゃんはよく家に人を招いてごはんを作ってたから、それを食べに行くようになって。出会いのきっかけを作ってくれた居酒屋に行ったりね。僕のなかではっきりと意識したのは千葉に出掛けた日かな。

---それはデートで?

景:まあそうね。よっちゃんが車を運転してくれて、千葉にある美術館に展示を見に行ったんです。その帰りに、急遽ライブに行かないかって話になって。よっちゃんはチケットを持ってて、僕は持ってなかったんだけど、よっちゃんが「行けばなんとか入れるんちゃう〜ん?」って。

よしこ:はっはっはっ!チケット持ってなかったのに行ったんだ(笑)。そうだそうだ。

たかはしよしこさん

たかはしよしこさん

景:でも会場に着いても当日券はなくて。今度は、「紙に”チケットください”って書いたらもらえるんちゃうん?」って。そんなのやったことないし、恥ずかしい……って思いつつ、やってみたらその瞬間に「売ります!」って譲ってもらえて。

よしこ:すぐに。1枚余っちゃってたみたいで。

景:そのときに、「あ、この人といると面白いな」って思った。面白いというか、自分の枠を越えていく感じというか。

よしこ:いつも私はそういうふうに枠にとらわれないでいようとか、無謀なこともしちゃうんだけど、景くんはカチッと慎重だし、その辺が対極。私は景くんのそういうところをすごいなって思ってます。彼は、ミルクピッチャーのコレクターなんですけど、花見の後、初めてふたりで行きつけの居酒屋に行った日に持ってきてくれたのが、ミルクピッチャーの写真をまとめたファイルで。
「なんでそこ?」みたいな(笑)。

景:自分でコレクションしているものや、お店に置いてあるミルクピッチャーを写真に撮ってファイリングしてたんよね。それを、よっちゃんに見て欲しくて。

よしこ:うわ~、変なひと~!!って(笑)。

---(笑)。それからお付き合いするようになったのは?

景:いつだろう?

よしこ:いや、付き合おうの告白もない!結婚のプロポーズもない!景くんの知り合いが働いているお店に行った時に、その方から「ふたりは付き合ってるんですか?」って聞かれて、景くんは
「彼女です」って言ったんですよ。私は「え~!そうだったの〜?!」みたいな。そういう人なんです。自然の流れでもっていくみたいな。

---いつのまにか彼女になってたと(笑)。

よしこ:なんのきっかけもなかったのに、急に彼女に。それが出会って2ヶ月経ったくらい。

景:それからちょうど1年くらいで入籍して、その1年後に結婚式を挙げて。

----入籍されて6年。景さんはきっちり、よしこさんはのびのびしているというお話でしたが、たとえばお互いのことを「窮屈だな」とか「それ、やりすぎなんじゃない?」とか、食い違うことはないんですか?

よしこ:きっちりというか……。

景:きっちりはね、正しくはないね。なんというか………。でもね、実は似た者同士。

---それは、どんなところが?

景:う~ん、どんなところかな。

よしこ:なんやろう?

景:適当は適当なんだよね、ふたりとも。お互い全然計画的じゃなくて。今まで計画してやったことなんて何一つないもん。結婚式を北海道でやったんですけど、それもそうだし、このお店も計画して始めたわけじゃないし。ある意味思いつき、いい言い方をすればインスピレーションで。

---直感を大事にしてるってことですかね?

よしこ:あ!そうそう。けっこう直感系かも。

景:僕もある程度計画するんですけど、いざとなればジャンプしちゃう。「飛び込んじゃえ、ぴょ~ん」って。

よしこ:私は完全に直感、感覚で動くタイプ。

---なんかこっちの方がいい気がするぞって?

よしこ:うん、パーンって。でも、景くんはもっと深く考えるというか。

景:俯瞰で引いて考えたりはするかな。それはデザイナーであり、アートディレクターという職業柄もあるかもしれない。全体を見て判断しないとって意識がある。よっちゃんを見てて思うのは、目の前、今のことに集中しているってこと。よくあるのが、人と会って話をしていると、次の予定が迫ってるよって伝えても、その時の出会いを大事にするから話すのをやめない。

---そのくらいの今感、目の前感。

景:そういう感じ、いつも。

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